0074.不安定な心は幼少時のトラウマが原因?(面談・東京・女性31歳)

今日は東京都の会社員Iさん(女性・31歳)のご相談についてお話したいと思います。
お忙しいところお越し頂いてありがとうございました。

悩みというのは、軽いうつ状態で、日々精神的に不安定であるということです。
不安定である理由は、Iさんも明確に自覚しております。
それを克服すれば、本当にスッキリした状態で日々生活できるのでしょうが、問題の根はかなり深いです。

その悩みの根源というのは、幼少の頃のトラウマです。
母親からの虐待を幼少の頃に受け、かなり心が傷つき、今でもその記憶は鮮明に残っているようです。
その後、両親は離婚して父親のもとでずっと暮らしてきました。
施設にも預けられる状態になり、母親と離れたからといって決して幸せな生活ではなかったようです。

両親への憎しみ、傷ついた心は決して消えるものではないかもしれません。

Iさんは、今回が2回目の来訪ですが、1回目の時は全く別のご相談でした。
また、Iさんはとても優しく愛情深い人なので、こんな過去があることは全く感じられませんでした。

苦しい過去があってもそれを周りの人に感じさせず、しかも明るく生きていく姿には感銘さえ覚えます。
大人になって過去のトラウマを、きっと自分の心の中で日々整理していったのだと思います。

しかしながら、何かのきっかけが原因で、その整理された過去のトラウマは蘇ることがあります。

幼少の頃に受ける親の愛情が、極端に欠如していると、精神的な安心感がないままに大人へと成長していきます。
幼少の頃の不安感やおびえなどは、大人になり意識として確認できなくても、無意識にはしっかりと根ざしています。

トラウマを消すというのは、とても難しいことです。
夜遅くに帰ってきては、子供の面倒をほとんど見ない父親。
父親は何の罪の意識もなく、のうのうと過ごしている。
何もしない、干渉しないというのは、ある意味子供にとっては、虐待に近いことなのかもしれません。
Iさんが受けた被害は、いまだに頭の中に鮮明に残されています。

許すことが一番の解決策にはなりますが、そう簡単にはいかないようです。
それは本人しか知ることのない、想像を越えた虐待があったからだと思います。

なんでもそうですが、被害者というのは「マイナス」を背負って生きていくのが世の常だと思われています。

大人になってからトラウマとなるような出来事に遭遇することよりも、幼少の頃のトラウマの方が数倍、いや何十倍もの苦しみを背負うことになります。

最愛のパートナーを交通事故で亡くしたとか、職場でひどいいじめに遭ったという過去のトラウマがある場合、その痛みを知ってくれる人や理解を示してくれる人が必ず周りには一人か二人はいるものです。
自分が受けた苦しみをその場で理解してくれる人がいるだけでも、心の傷はかなり軽減されるものです。

しかし、幼少の頃のトラウマは、誰にも理解されずに、その傷が癒されることなく、大人へと成長していきます。

幼少の頃にひどい虐待を受けてしまうと、その苦しみを無意識のうちにずっとひきずることになり、大人になってもあまり幸せな人生を歩むことはできないかもしれません。
幸い、Iさんは心理学を勉強したこともあり、父親のことを許そうと、何度も気持ちを切り替える努力をしてきました。

それでもやはり、無意識のうちに過去のトラウマが蘇ってしまうことがあります。

そこで私は、不可能なことかと思われますが、Iさんに対する「父親の謝罪」を引き出すために、Iさんの気持ちを整理してあげたいと思います。

相手が悪いのだったら、相手に謝ってもらう・・・。
これほど自然で、これほど当たり前のことはないと思います。

少し、時間はかかるかもしれませんが、必ず望みは叶えてあげたいと思います。
Iさんにおかれましては、またメールでも構いませんので納得のいくまでお話して下さって結構です。

皆さんの幸運を心からお祈りいたします!

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